モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

私だけ?参院選の政党ポスターがつまらないと感じるのは・・

選挙のポスターも目に付くような時期になりました。これもマーケティング的に勉強になりますよね。生きた教材なんで。みなさん、じっくりとご覧になりましたか?今回、年金問題、政治と金の問題等、国民の関心は高いと言われている選挙ですが、ポスターを見ると、どうも投票をモチベーションアップしてくれるようなものが見あたりません。キャッチコピーがねぇ。ありきたりと思いませんか?私が見たポスターには、


自民党・・成長を実感に!
公明党・・未来に責任を持つ政治。
民主党・・生活が第一
共産党・・いまこそ必要、たしかな野党
社民党・・ツヨイ国がいいですか?ヤサシイ国がいいですか?


これらのコピーを見た感想、みなさんは如何ですか?
私は「フーンッ。」の一言みたいな感じでした。「正論ごもっとも。それゃ、そうに決まっている」という感じ。当たり前すぎて、反論も浮かんでこない。全くノーインパクト。ココロが動かされるキャッチコピーが全くありませんでした。せっかく予算作って、自分の政党への投票を増やす為のモチベーションアップに作った広告でしょう?これじゃ「票を減らす事はないけど、増やす事はないよね。」って守りのキャッチコピーばかり。詳しくはマニフェストを見ろって事なんでしょうけど・・

そんな中、唯一異彩を放っていたのが、国民新党。あの、亀井静香さんが歌っているCMも強烈な、あの党です。


国民新党・・正々堂々、抵抗勢力


なんかインパクト強くありませんか?私は、これを見て感じました。
・ズレてる。笑いがでるくらいズレてる。
・なんで今更、抵抗勢力。もう終わった話じゃん。フルー。
・もう抵抗勢力って呼べるほど、人数いないじゃん。誰からも相手されてないし。
・筋が通っていると言えばそうだが・・


しかし、国民新党のキャッチコピーはバカにできません。このコピーを見てから、20分ほど我が家では国民新党の話題になりました。この党についての理解も深まりました。他の政党では全くなかった事です。もし、これが政治なんかじゃなく、どの殺虫剤を買うかというレベルの意志決定の話だったら間違いなく国民新党ブランドを買ったと思います。ズレすぎると、強烈なインパクトがある。たぶん国民新党の皆さんは真面目に、このキャッチコピーを作られたとは思うのですが、私から見ると「ズレすぎている。それも笑いがでるほどズレすぎている。一生懸命やっている姿を見れば見るほど、そのギャップで笑いが出てしまう。」結果的にしかすぎないと思うのですが、ノーインパクトの他の政党のキャッチコピーより、キャッチコピーの役割は大きく果たしていると思います。「面白いから、投票に入れる」という人達は惹き付けるのかもしれません。(不謹慎な話だし、本来の趣旨とは、全く違うので国民新党さんにとっては不本意だとは思うのですが・・)国民新党の話から、変えて、キャッチコピーという意味で思い出すのが小泉さんではないでしょうか?


小泉さんはキャッチコピー作りの名人、天才的マーケッターだったと思いませんか?
抵抗勢力構造改革選挙、郵政民営化選挙・・
ワンフレーズポリティクスと揶揄されても、次から、次に大ヒットキャッチコピーを創り出した。「郵政民営化」なんかも、大半の人は最初の頃、「どうでもいい。」と感じたと思う。そんな国民の反応を感じて小泉さんは「郵政民営化」に反対する人達がひと暴れしたくなるように彼らの感情を逆撫でする事で、キャッチコピーが目立つような演出まで同時に行った。


私達は、郵政民営化に強烈に反対している郵便局員の人達の姿や国会で党議拘束を破ってまで反対をしている亀井さん達の姿を見ることで、「郵政民営化って大変なことなんだ?」と感じて、「その抵抗勢力をやっつけようとする小泉さんを応援しなければ・・」とモチベーションアップされ、自民党に投票していく事になったのだと思う。


彼のキャッチコピーがインパクトがあった理由は、
・「半数以上の人」は賛成するが、「一部の人」は強烈に反対するキャッチコピーだったという事。


コピーを読んだ瞬間、一部の人は「猛烈に反対していこう」というモチベーションアップをさせるキャッチコピーを作っていた。少数な人が、モウレツに、感情的に反対行動を示すようなキャッチコピーを作っていった。そして、その凄まじい反対している人達の姿を見て、「半数以上の人」は、事の深刻さを感じて、別の行動へのモチベーションアップされていった。改めて、今回の選挙の各党のキャッチコピーと比べると、小泉さんのマーケッティング力の凄さに感服してしまう。


余計な事かもしれませんが、小泉さんと比べると、安倍さんのマーケティング力は・・
安倍さんは、小泉さんが作った[構造改革]という言葉をよく口にするが非常にインパクトが薄い。オリジナルの言葉はモチベーション力があるが、誰かが作った受け売りの言葉は薄っぺらく感じてしまう。また、キャッチコピーも時代と共に劣化していく。大ヒットした言葉であればあるほど、少し時間がたてば使い古された言葉のように感じる。ホントは「美しい日本」なんて言う、誰も反論しないようなキャッチコピーでなく、強烈な反対者が出てくるようなキャッチコピーを作る必要があったんだろうが・・



「そう言われりゃ、そうに決まっている」的な当たり前の言葉のキャッチコピーは、全くインパクトがない。政治で言えば、敵を作らない、反論する人を作らないキャッチコピーは全くインパクトがない。全く記憶に残らないキャッチコピーは意味がない。それだったら、国民新党のキャッチコピーのように徹底してズレまくって笑いがでるキャッチコピーの方がましなのだろう。

政治家は言葉でビジネスをしているのだから、選挙のキャッチコピーの言葉くらいは、もっと思いの通じる言葉で語りかけて欲しいモノです。