モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

苦手は得意技になる〜小さな成果を喜ぶ

経営戦略の基本原則の第1は、「強みを活かす」ということです。

  • 自社や自分の「強み」は何かを整理し
  • その強みを更に、ライバル以上に高い水準にしていく為の方策を考え
  • その強みを最も効果的に活用できる戦略を考える
    ということです。





例えば、英会話が得意な人がいたとします。そんな人の戦略は、全ての能力向上を狙わずに、まず徹底して英会話能力を差別化域(ビジネス英会話ができるレベル)になる為の努力を行。そして、ビジネスでも使えるレベルの英会話が身に付けば、その能力が最も活用できる、最も稼ぐことができるキャリア(例えば貿易商社、輸入関連ビジネス、通訳等)を選ぶという事ですね。これが最もオーソドックスな戦略です。





しかし、「私には全く強みがない」と言われる人もおられます。(ホントは、強みを探し出す努力が足りないだけだとは思うのですが・・)私には、「弱みしかない」と言われる人もおられます。そんな人は「戦略的生き方ができないか?」というとそんな事はありません。





「弱み」を力に変えるという戦略です。「強み」を武器にする戦略と比べると、正直、かなり険しい道になります。しかし、成し遂げた時の報酬は大きなものになります。





「弱み」とは、「他人より劣っている」、「自分がヘタだ」、「自分が苦手だ」と自分でコンプレックスを感じているものですよね。たぶん、ホントにヒドイのでしょう。実は、このヒドイという事が大事になってくるのです。





ヒドイという事は、少し努力をすると、大きな成果が出てくる分野でもあるのです。私の実例を話をします。以前も、ブログに書いたと思うのですが、私は水泳が大の苦手でした。



小学校1年生くらいの時にスイミングスクールに通っていて、飛び込みで頭から垂直にツッコんで床で頭を打ち、脳しんとうを起こし溺れかけて以来、水泳が大嫌いになりました。水泳大会なんかある時は、急に病気になる始末。そんな状況でしたから、25メートル泳ぐと、死にそうになるくらいでした。





もう15年くらい前になると思うのですが、スポーツジムに通い始めたのがキッカケです。せっかくジムに入会したのだからと、プールで歩き始めました。で、時々、気分転換にと、遊びでゆっくりと泳ぎ始めました。最初は10メートルくらい。誰からも強制されるワケでもありませんでしたから、マイペースで1メートルくらいづつ、距離が伸ばしていました。メチャクチャ下手なのですから、少し頑張ってみるだけで、確実にチョットだけは成長が実感できていきました。





ちょっとずつ伸びていくと、イヤだった水泳が少しだけ、面白くなってくる。そうすると、ジムに行くたびに水泳をするようにいつのまにかなっていました。そうしていくうちに、泳ぐコツが分かってきました。1年くらい経つと、1キロくらいは泳げるようになっていました。今では、恐らく同年代の人と比べると、水泳は上手なレベルにはなっているのではないでしょうか。





得意なものは、逆に高い水準に今でもあるものですから、多少の努力をしても成果は、目に見えるほどありません。(オリンピックの選手はコンマ1秒を縮めるには死ぬような努力が必要になります。)しかし、苦手なものは、少し努力をすると、実感できるほど成果がでてきます。(私の水泳でコンマ1秒を縮めるのは楽勝でしょう。)





「小さな努力で生まれた、小さな成果」を大事にする。他人から見たら、「そんな事ができたくらいで喜ぶなよ」と思われるような事でも、自分にとって成長であれば、それを素直に喜ぶ。これが大事です。苦手な事は、素直になりさえすれば「小さな努力で、そんな小さな喜び」をたくさん味わう事が可能になります。





この「小さな成功の実感=小さな喜び」は、脳内にドーパミンを分泌させてくれます。ドーパミンが分泌されると、「もっとやりたい!」と思うようになってきます。「もっとやりたい!もっとやりたい」と、やることが楽しくなってくるのです。





子供の頃、ヒドイ吃音だった人が、大人になったらアナウンサーになった(確か、小川宏さんだったと思うのですが)という話を茂木健一郎さんの講演テープで聞いた事があります。吃音だと、当然、話すことは大の苦手だったはずです。





しかし、それを克服しようと、ちょっとずつ努力を行っていく。そうすると少しだけ、吃音が直ってくる。普通の人から見れば、大した話ではないですが、吃音に悩んでいる子供にとっては大きな成果です。その事が嬉しくなって、また話す練習を行う。その繰り返しで、だんだんと話すことが楽しくなってきて、いつのまにか、話すことが職業にまでなっていき、日本一のアナウンサーになってしまった。そんな姿がイメージされてきます。





実はこのようなケースはそんなに珍しいものではありません。最初は苦手だったものを、克服しようと努力しているうちに、楽しくなって、いつの間にか誰よりも得意になる。スケートの金メダリストの清水選手も、子供の頃、小児喘息で悩まされており、身体を強くする為にスケートを始めて、金メダリストまで登りつめたという話を聞いた事があります。





「苦手」な事の方が、実感が出来るほどの成果を出す為の努力は小さくて済みます。ちょっとの努力で、成果を感じる事ができるのです。その成果を素直に喜ぶ。ドーパミン分泌の回路を作って行ければ、しめたもの。それが得意分野になってくるのです。





「苦手なものを、得意にする」というチャレンジもあるという事です。野球では、「ホームランゾーンと苦手なゾーンは隣にある」と言います。苦手なものに向き合って、ちょっとだけチャレンジしてみませんか?そして、小さな成果を大喜びしていきましょう。誰かが誉めてくれなくてもいいじゃないですか?あなたさえ、実感できる成果なら。その喜びが、得意なものを作っていくのです。





弱点は、向き合って克服すると得意になるのです。小さな成果を喜ぶ素直さを持つ事が大事ですよね。

PS

私の本、「モチベーションが上がるワクワク仕事術」。増刷が決定しました。皆様のおかげです。
これからも応援よろしくお願いいたします。
めざせ!仕事のプロ モチベーションが上がるワクワク仕事術

めざせ!仕事のプロ モチベーションが上がるワクワク仕事術