モチベーションは楽しさ創造から

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ドンドン優秀な人材輩出する上司は何を教えているのか?自ら学ぶ習慣をつけてもらう為の5つのポイント

部下に教えないといけないコトは様々あります。商品知識、業務技術、マナー、モノの考え方等々、あげればキリがないほど。しかし会社側は、部下育成に関してそれだけの時間は与えてくれていません。どこの会社でも「空いている時間で育ててくれ」というような感じではないでしょうか?





そんなキツイ状況の中、短い時間や隙間の時間で上手に人材育成を行っている人もおられます。それも偶然ではなく、何人も優れた人材を輩出していくような人材上手な人達がいます。同じ会社の中でも、あの人の下につくと急に成長すると言われているような上司があなたの周りにいないでしょうか?





彼らを観察すると、共通するものを感じます。それは、「イチイチ、色んなコトを、懇切丁寧に教えていない」というコト。逆じゃないの?と思われる人も多いかと思いますが、人材育成が上手な人は、そのように外部からは見えるのです。今、流行のコーチングの手法みたいな事も人材育成上手の人はあまり使っていないように見えます。ただ、何も全く教えていないかと言えば、もちろんそんな事はない。ポイントだけはしっかり教えているから、次から次に人材がその人から輩出されていくのです。





人材育成が上手な人達が部下に共通して教えているポイントとは何か?それは、「部下自らが学ぶ習慣」ではないでしょうか?自ら学ぶ習慣ができた部下は、勝手に自ら勉強していきます。上司としてはちょっとサポートをすればいいだけで済みます。だから、外から見ると、その上司は「イチイチ、色んなコトを懇切丁寧に教えていない」ように見えるのです。





代表的なものが、超一流(中途半端な職人の世界じゃないですよ)の職人の世界など。超一流の職人は、外から見ると全く何も教えていないように見えます。大体の親方は、無口。俺の背中を見て仕事を覚えろっていう感じですよね。しかし、次から次に超一流の職人が育ってくる。超一流の職人は、「自ら学ぶ習慣」だけを教えて、後は学ぶ習慣のついた弟子達が自ら勝手に超一流の職人のワザを盗み、日々研鑽しているだけなのです。ほぼ日刊イトイ新聞 -宮大工・小川三夫さんの「人論・仕事論」。 にこんな職人さんの人材育成の考え方がありました。

最初に、
「かんなはこういうふうなもんですよ」
「こういうふうに削るんですよ」
と教えてやったって、苦痛でしかないですよ。
削れないんですから。


つまり、ほんとに削りたい、削りたい、削りたいと
思う気持ちがわくまで、放っとかなくちゃダメ。
教えちゃったら、その子が
いろいろなことを気づかなくなってしまう。
「掃除しとけ」とだけ言って
3か月ぐらい放っとかれますわな。
そうすると、本人がいちばん
「これはまずいな」と思うからね。
そうすると、一生懸命やる気分が高まる。

これからの時代は、学習する環境がネットの普及で大きく変わっています。昔と違い、本人のモチベーションにより、いくらでも学習する事ができ、能力向上はできていくのです。お金のハードルは低くなっているのですから。だから「自ら学ぶ習慣」をどうつけさせるか?という事は、これまで以上に大切になってくるのではないでしょうか?





そこで、人材輩出する上司達は、自ら学ぶ習慣を部下につけさせる為に、何をどう教えているのか?私は、これを5つのこととしてまとめてみました。ご参考にしてください。(もちろん、「学ぶ習慣」を自らにどうつけていくのかにご参考になればと思います。)





  1. 仕事に興味が出てきて、学びたい」と思った瞬間を見逃さない
    これは、前に紹介した宮大工の小川さんの話にも通じるところがあります。弟子が「かんなを削りたい、削りたい」という気持ちが沸いてきたときに、それを見逃さず、タイムリーにその瞬間に全力で教えていくという事。きつい修行は、その為のものだと言うのです。

    NHKのプロフェッショナル仕事の流儀の中で取り上げられていた、カリスマ英語教師の竹岡さんの仕事ぶりもそうでした。竹岡さんは、「生徒が自ら質問をしてくる瞬間」を最も大切にしていました。普通の授業は、生徒の興味を刺激する撒き餌のようなもの。根気強く、撒き餌を丁寧に蒔いていく。そして生徒がその餌に飛びつき、興味を持った瞬間=生徒が自ら疑問を覚えたその瞬間に、全力でその質問に答えていく。その瞬間に英語を学ぶ楽しさを教えていくという事でした。それさえできれば、後は生徒自ら学習していくという事でした。


    私も巧く人材が育成できた事を振り返ると、そんな状況に近いモノがありました。逆に部下や後輩、お客様の社員さん達が、「学びたい」と思った瞬間を見過ごしたような気もしています。


    人材輩出をどんどん行う上司は、そのような瞬間を見逃さず、瞬間に出くわせば、何より高い優先順位で全力で「学ぶことの楽しさ、大切さ」を部下に教えていく事を行っているのです。


  2. 新しい事を知る事(学習)の楽しさを知る
    これは1の話で言えば、撒き餌をばらまくという事になるのでしょう。人によって「何を楽しい」と感じるかは様々です。様々な知識に触れさせていく事、「新しい事を知る事の楽しさ」に触れさせていく事で、その「何か」に気づくチャンスを与える事も大事だと思います。

    私には小学生の娘がいるのですが、勉強についてはほとんど教えません。ただ「かけ算の面白さ」「本を読む事の面白さ」「俳句の面白さ」「伝記を読む事の面白さ」など「勉強がどんなに面白いか、楽しいのか?」といった事だけを教えています。彼女がホントに私の話を聞いて、面白いと感じたものに関しては、モチベーションが高くなり、自ら学習をしてくれます。(そう感じてくれていないものは勉強してくれないのが難点なのですが、親としてはそれでOKだと思っています)


    人は本能的に、新しいモノを学びたいという学習本能があると思うのです。私達が相手にしているのは、大人ですがそれでも彼らに、仕事や学ぶことが「楽しい、面白い」と感じるキッカケを提供し、学習本能を刺激していく事が私達に求められているのでしょう。社内研修の役割とは本来、この為にあるのではないでしょうか?


    人材輩出する上司は、無理矢理勉強させるような事はさせません。それでは成果は望めないから。学習しろと口やかましく言うのではなく、勉強する事の楽しさ、仕事をする事の楽しさを気づく場を提供するだけ。気づいてくれるのがいつになるかは分からないが、根気強くそのような気づきを感じる場を与えていくのです、。気づけば、部下自らが勝手に自分たちでモチベーションが上がり、勉強していくという確信を持ちながら・・


  3. 自ら調べる、学ぶテクニックを身につける
    今の時代、ネットを使っていけば、かなりの事が自ら学習していく事ができます。単なる検索エンジンを使いこなすだけでもそれなりの効果はありますが、それだけでは限界があります。WEB2.0的なものを上手に使っていきながら、自ら調べる、学ぶテクニックを知っているかは学習効率に大きな違いをもたらします。効果的な学習を行い、結果を出すという事自体が、学習の楽しさのアップにつながるのです。また、誰かに聞いて学ぶより、自分で調べて学んだ方が喜びも大きいものになります。

    人材輩出する上司は、「ネット以外での学習方法も含めて自ら調べる、学ぶテクニック」についてだけはしっかり教えている人が多いのです。何から何まで細かく教えるのではなく、自ら学習を進めていく事ができるレールだけを引いてやり、後は本人の努力で学習させるという形が多いのではないでしょうか?そして、どうにも自ら乗り越える事ができない時だけサポートしてあげるという教育スタイルが多いと思いますね。


  4. 知識を得ることがいかに得になるのかを知る
    自ら学ぶ事ができる人は、学ぶ事の楽しさだけを知っているのではありません。学ぶ事、知識は力だという事を知っています。この事をしっかり教えていく必要があるのではないでしょうか?

    新しい問題に出くわした時、我々は従来のやり方を変えていく事を求められます。従来のやり方だから問題が生まれてきたのです。そしてその従来のやり方を変えようとする時に、どうしても必要になるモノ。それが、「新しい知識」だという事。


    「従来のやり方にこだわらず、新しい知識を取り入れて、新しいやり方をとる事でしか問題は解決していかない」という事を知っている人だからこそ、自ら学ぼうとするのです。壁に当たれば、まず学習という習慣ができあがるのです。
    人材輩出する上司は、そんな「知識」を吸収していく事の重要性に気づく場を積極的に作っているのです。  (格差の広がりは防ぐことはできるのか?深刻な中小企業の情報格差問題 でも、これに関しては述べていますので、詳しくはこちらで)


  5. 他人に自分の学んだ事を教える事の快感を知る
    自ら学んだことをアウトプットする事は、再び自ら学習しようとするモチベーションに繋がっていきます。学んだ事を、後輩や部下に教えること、ブログで発表していく事で、周りの人に喜んで貰うという事は、快感です。また、教えるという作業を通して、知識を吸収した時に感じたものとは違うものに気づくことがあったりもします。また、教える事で「他人の考えであった知識」が「自分なりの知識」に成長していき、それが自己成長の実感に繋がり、学習の楽しさを知ることにもなるのです。
    人材輩出する上司は、どんどん部下に後輩や外部に教える機会を提供していく事で、部下に「自ら学ぶ習慣」をつけているのです。

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